【特集】シュテファン・エンゲルス氏 来日
シュテファン・エンゲルスとは?
シュテファン・エンゲルス氏(Mr.Stefaan Engels)は、「マラソンマン」(MarathonMan)の異名をとる、ベルギー・ゲント市の市民ランナーです。(1961年4月7日生まれ、55歳)
シュテファン氏は、2つの世界記録を樹立したことで知られています。
2007~2008年
トライアスロン アイアンマン・ディスタンス(※)を1年間に20回完走
(※Swim3.8km/Bike180km/Run42.195km)
2010~2011年
365日連続フルマラソン完走
(※楠田昭徳が2009年に記録した52日連続を更新)
実は365日連続のフルマラソンに挑戦したときは、18日目で脚を痛め1度やり直しをしたそうです。シュテファン氏は、楠田昭徳が65歳で1回で記録を達成したことに対して、畏怖の念を抱いたと述懐しています。
世界記録の樹立後、彼はClub365というランニングクラブを主催し、コーチとして市民ランナーの指導、イベントの開催、マラソンツアーの企画を行っています。
"Be a Hero for One Day"
チャレンジ2020の起源
2013年、シュテファン氏は、毎日誰かがフルマラソンを走るランニングイベント"Be a Hero for One Day"を地元ベルギー・ゲント市のWatersportbaanで開催しました。毎日走るのは誰か1人または1チームで、その名のとおり必ず表彰台の中央でヒーローとして表彰されるのが最大の特徴でした。
シュテファン氏に世界記録を破られた楠田昭徳が、その"Be a Hero for One Day"に参加したのが、2013年6月9日(日)、イベントの160日目でした。オランダ在住の日本人ランニングクラブ「おRunだぁず」のランナーのサポートを受け、シュテファン氏やベルギーの市民ランナーと交流を深めた楠田は、日本の別所沼公園でも毎日誰かがマラソンを走るイベントを企画することを決意したのでした。(後のチャレンジ2020)
"Be a Hero for One Day"の終了後、シュテファン氏はメディアのインタビューの中で、どの日が印象に残っているかとの問に対して「どの日もすばらしい思い出ばかりだが、敢えて1つ選ぶとしたら日本から来た楠田氏と走った日だ」と答えたそうです。
シュテファン・エンゲルス初来日
2016年、シュテファン氏は自身の901回目から1000回目のフルマラソンを"Run2gether"という参加型のイベントとしてゲント市のWatersportbaanで開催し、終了後は日本へ移動し東京マラソンで1001回目のマラソンを走ると発表しました。
この知らせを受けた楠田は、彼が別所沼公園で主催するチャレンジ2020でも走ってほしいと要請。シュテファンが快諾したことで、東京マラソンの2日後、別所沼公園でのマラソン参戦も決定しました。
ともにマラソンの世界記録を塗り替え、多くのランナーに尊敬されるベルギーと日本の2人が再開し、東京マラソン、チャレンジ2020を走ります。
ベルギー・ゲント市の紹介
西ヨーロッパに位置するベルギーは、オランダ、ルクセンブルク、ドイツ、フランスに囲まれ、日本の関東地方ぐらいの面積の国です。ベルギー王国という名のとおりフィリップ国王を元首とする立憲君主制の国です。
使用言語は北部のオランダ語圏と南部のフランス語圏に大きくわけられ、ドイツとの国境沿いにドイツ語圏も存在します。北部では英語も通じます。
シュテファン氏が住む、ゲント市は首都ブリュッセルの北東55㎞(電車で50~60分)に位置するベルギー第3の都市です。「ヘント」と呼ぶ場合もあります。人口は約25万人。
ゲントは、ベルギー北部にあるので、オランダ語圏で多くの人が英語も話せます。
ゲントの中心部は中世の町並み、ギルドハウス、倉庫、城塞、世界遺産の鐘楼などがあり、ヨーロッパでも有名な観光名所となっています。「ゲント」という名前は川の交わるところというケルト語に由来していて、その名の通り川と運河が街中に入り組んでいます。運河クルーズツアーも楽しむことができます。
2013年9月8日に「トーキョー(Tokyo)」と告げた人として日本人に有名な、ジャック・ロゲIOC前会長は、ゲント市出身の貴族です。彼の影響か室内陸上競技場、サッカースタジアムなどスポーツ施設も充実しています。
そのゲント市の中心から2㎞ほど離れたところにあるのが、Watersportbaan(ウォータースポーツバーン)というボート場。その周囲はちょうど5kmのランニングコースになっていて、"Be a Hero for One Day"などのシュテファン氏が開催するイベントはここで開催されています。
ゲントの料理・グルメでは、ベルギーですから当然ですがビール、チョコレート、そしてクリームシチューのような郷土料理「ワーテルゾーイ」が有名です。